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会長声明・決議

大量の「懲戒請求」についての会長談話

今般、全国の956名から、日本弁護士連合会会長が発表したある声明に賛同したとの理由で、当会所属の弁護士のほぼ全員を懲戒することを求める旨の書面が、ある団体を通じて当会に送付されました。これと同様の事態が全国の多数の弁護士会において生じています。

これに関し、2017(平成29)年12月25日、日本弁護士連合会会長から「全国各地における弁護士会員多数に対する懲戒請求についての会長談話」が発表されました。そこでは、これらが懲戒請求の形を取りながらも、その内容は弁護士会活動に対して反対ないしこれを批判するものであって、個々の弁護士の非行を問題とするものではないことから、各弁護士会においてしかるべく対処すべきことが述べられています。

思うに、弁護士懲戒制度は、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士の職務の独立性、信頼性を維持するための重要な制度です。すなわち、弁護士は、その使命に基づき、時として国家機関を相手に訴えを提起するなどの職務を行わなければならないこともあります。このため、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を守るべく、弁護士会には高度の自治が認められているのであって、他機関ではない弁護士会による弁護士の懲戒権はその根幹をなすものです。

私は、この懲戒権を適正に行使、運用しなければならないとの見地から慎重に協議・検討した結果、これらが、懲戒制度が本来予定している懲戒請求ではないと判断し、今般、当会に所属する弁護士に対する懲戒請求としては受理しないことといたしました。

今回の申し出のご趣旨は、弁護士会に対するご意見・ご批判として承りますとともに、市民の皆様には、弁護士会の懲戒制度の趣旨について更なるご理解を頂きますよう、お願いする次第です。

2018(平成30)年1月29日

滋賀弁護士会
会長 佐口 裕之