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会長声明・決議

検察庁法の改正案の廃案を求める会長声明

2020年06月09日

当会は、2020(令和2)年3月10日、「検察官に関する不当な人事権の行使に抗議する会長声明」を発して、東京高等検察庁検事長の勤務延長を決めた閣議決定に抗議した。

しかしながら、この閣議決定は今も撤回されていない。それどころか、同種の問題を含む検察庁法の改正案が国会に提出された。

改正案は、検察官の定年を65歳に引き上げるとともに、次長検事又は検事長で63歳を迎えた者は次長検事又は検事長の職を退くことを原則としている。民間で言うところのいわゆる役職定年制に相当する規定である。

しかしながら、この規定には例外が設けられている。すなわち、内閣が「職務の遂行上の特別の事情を勘案し」「公務の運営に著しい支障が生じる」と認めるときは、役職定年を超えて、あるいは定年をも超えて、当該官職で勤務させることができるという道を開いている(検察庁法改正法案第22条第1項ないし第3項、第5項ないし第8項)。検事正及び上席検察官についても、法務大臣の判断で同様の措置を講ずることができることとされている(同法案第9条第3項ないし第6項、第10条第2項)。

検察官は、公益の代表者として、司法制度において極めて重要な役割を担うものであり、その職務遂行には高度の公正性が求められる。検察官は、ときには権力を持つ立場の被疑者に対しても適正に捜査権を行使しなければならない。検察官が適正にその職責を果たすためには、政治的権力からの独立性が必要である。そうでなければ、政治家に対する公正な捜査も期待できなくなり、国民の信頼を損なうことにもなるのである。

今回の改正案が成立すると、内閣や法務大臣が、人事権の行使を通じて、検察官の権限行使に不当な影響を与えることにより、検察官の独立性の要請が著しく損なわれるおそれがある。

この改正案は、世論の強い反対もあって、今国会での審議は見送られた。しかしながら、政府は、この法案を継続審議としており、秋の臨時国会で引き続き審議される余地が残されている。

また、議論の焦点となっていた東京高等検察庁検事長が辞任する事態となってはいるが、そのことでこの法案の問題が解決されたわけでもない。

当会は、あらためて、検察人事に政治的な介入をしようとする政府の態度に抗議し、憲法の基本原理である三権分立の趣旨に反する今回の検察庁法の改正案を直ちに廃案とすることを求めるものである。

 

2020(令和2)年6月9日

                                      滋賀弁護士会  

会長 西川 真美子