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会長声明・決議

最低賃金額の大幅な引き上げと中小企業への実効的な支援等を求める会長声明

2021年07月13日

最低賃金額の大幅な引き上げと中小企業への実効的な支援等を求める会長声明

 

1 2020(令和2)年度において、中央最低賃金審議会は、地域別最低賃金額の引き上げについて、目安額の提示を見送った。また、各地の地域別最低賃金審議会も引き上げ額を抑制した結果、7都道府県で引き上げがなされず、引き上げがなされた府県も、その幅は1円ないし3円にすぎず、滋賀県も2円の引き上げ(時給868円)という低水準にとどまったことは、労働者の生活水準の維持のためには、看過することができない。

昨年の全国加重平均額は、時給902円となるが、これでは、1日8時間、週40時間働いたとしても月収約15万円にしかならない。総務省統計局2020年の家計調査(年調査)によれば、単身世帯・全国の消費支出(月額)は15万0506円であり、この消費支出の実態に鑑みれば、単身世帯はもとより、ひとり親家庭等の被扶養者を抱える世帯において、生活を維持していくことは相当困難である。かかる世帯においては、もともと十分な貯蓄をすることができておらず、収入に影響のある事態が発生すれば直ちに生活困窮に陥りかねないことが、今般の新型コロナウイルス感染拡大により明らかとなった。こうした労働者層の生活水準の維持のためには、最低賃金の引き上げが必須である。

  さらに、フランス、ドイツ、イギリス、韓国では、コロナ禍により経済が停滞する状況下においても、最低賃金の引き上げが実現している。労働者の生活を守るため、わが国でも最低賃金額の引き上げを後退させてはならない。

 

2 今般、新型コロナウイルスの感染拡大により、経営基盤が脆弱な多くの中小企業が倒産、廃業に追い込まれる懸念が生じている。

わが国の経済を支えている中小企業が、最低賃金を引き上げても円滑に企業運営を行うことができるように、賃金の引き上げに際しては、これと合わせて、国において、賃金額を引き上げる企業に対する十分な支援策を講じることが必要である。

 

3 そこで、当会は、中央最低賃金審議会に対し、本年は、全国すべての地域について、最低賃金の大幅な引き上げを答申することを求めるとともに、国に対して、最低賃金の大幅な引き上げに当たり、「業務改善助成金」制度の改善や、社会保険料の事業主負担部分の大幅な減免措置を講じるなど、中小企業に対する十分な支援策を講じることを求める。

また、滋賀地方最低賃金審議会においても、以上のような状況を踏まえ、最低賃金額の大幅な引き上げを図り、地域経済の健全な発展を促すとともに、労働者の健康で文化的な生活を確保すべきことを求めるものである。

 

2021(令和3)年7月13日

滋賀弁護士会                       

会 長  森 野  有 香