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会長声明・決議

死刑の執行に抗議しあらためて死刑制度の廃止を求める会長声明

死刑の執行に抗議しあらためて死刑制度の廃止を求める会長声明

 

2025(令和7)年6月27日、東京拘置所において、1名の死刑が執行された。

2024(令和6)年10月には、確定死刑囚であった袴田巌さんに対する再審無罪判決が確定し、死刑制度の危うさがあらためて浮き彫りとなった。

また、同年11月には、「日本の死刑制度について考える懇話会」が、「現行の日本の死刑制度とその現在の運用の在り方は、放置することの許されない数多くの問題を伴っており、現状のままに存続させてはならない。」との認識を示し、「国会及び内閣の下に死刑制度に関する根本的な検討を任務とする公的な会議体を設置すること」を提言した。

このように、現在、日本の死刑制度は根本的な検討を必要とする情勢にある。

前回の死刑執行は、2022(令和4)年7月26日に行われたものである。前述のように、もはや死刑制度を漫然と維持し続けることが許されない状況になっているにもかかわらず、2年11か月間執行されない状況が続いていた中での執行であり、死刑制度を維持しようとする法務省の強い意思の表明と受け取らざるを得ない。

当会は、2016(平成28)年に「死刑廃止を求める決議」を採択して以来、一貫して死刑制度の廃止と死刑の執行の停止を求めている。

死刑制度があるからと言って凶悪事件が抑止されるとは限らないし、死刑を執行したからと言って、被害者やその遺族が抱える困難が解消されるものでもない。被害者やその遺族に対しては十分な補償や物心両面にわたる支援こそが重要なのであり、加害者を死刑にすることは被害者やその遺族への支援にはならない。

当会は、今回の死刑執行に対し強い抗議を表明するとともに、あらためて死刑制度の廃止を求める。

 

2025(令和7)年7月15日

滋賀弁護士会

会長 相 馬 宏 行