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会長声明・決議

最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

               最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

厚生労働大臣は、本年6月頃に中央最低賃金審議会に対して令和8年度地域別最低賃金額改定の目安についての諮問を行い、同審議会から本年7月頃に答申が行われる見込みである。

昨年、同審議会は全国加重平均63円の引上げを答申し、令和7年度の全国加重平均額は1121円となった。この結果、令和7年度はすべての都道府県で最低賃金額が1000円を超えたが、滋賀県の令和7年度の最低賃金額は全国加重平均額を大きく下回る1080円にとどまっている。これでは、1日8時間、週40時間、年52週働いたとしても、年収224万6400円にしかならない。
国際的な原材料価格の上昇や国際情勢等の影響で、食料品など生活関連品の価格が上昇し続けていることからすれば、令和7年度の最低賃金額では安心して暮らせるだけの賃金水準には到底達していない。労働者の生活を守り、経済を活性化させるためには、大企業だけでなく中小・零細企業を含めたすべての労働者の実質賃金の上昇または維持を実現する必要があり、そのためにはまず最低賃金額を大きく引上げることが重要である。

また、依然として是正されていない地域間格差の解消も大きな課題である。令和7年度の最低賃金額は、最も高い東京都で1226円であるのに対し、滋賀県の最低賃金額は1080円と東京都より146円も低額である。最低賃金額の引上げはなされても、地域間格差の解消はほとんど是正が進んでいない。
 労働組合の全国組織が学者と協力して調査した結果によれば、労働者の生計費は都市部と地方の間でほとんど差がないという分析がなされており、この点からも、地方の最低賃金額を都市部の水準にまで引上げることが検討されるべきである。

一方で、地域経済を支える中小企業への支援策も不可欠である。最低賃金額の大幅な引上げを企業努力のみに委ねることは、中小企業に過度な負担を強いる結果となりかねない。社会保険料の事業主負担の減免、生産性向上への支援、適正な価格転嫁が可能となる取引環境の整備など、最低賃金額を引上げても中小企業が円滑に企業運営を行うことができるよう、実効性のある抜本的な中小企業支援策を講じることが必要である。

当会は、中央最低賃金審議会に対し、本年度、全国すべての地域について、最低賃金額の大幅な引上げを答申することを求めるとともに、国に対して、最低賃金額の大幅な引上げに当たり、社会保険料の事業主負担部分の大幅な減免措置を講じるなど、中小企業に対する十分な支援策を講じることを求める。
また、中央最低賃金審議会の答申がなされた後に審議が予定されている滋賀地方最低賃金審議会においても、以上のような状況を踏まえ、最低賃金額の大幅な引上げを図り、地域経済の健全な発展を促すとともに、労働者の健康で文化的な生活を確保すべきである。

2026(令和8)年6月17日
                               滋賀弁護士会         
                                  会 長  遠 藤 大 輔